真っ黒・漆黒・黒色無双。黒いって一体どういうこと?


その、あまりの黒さに話題となった黒色無双。光陽オリエントジャパン(株)から発売されたこの商品は、黒色よりも黒いことを特徴としている。黒色よりも黒いとはどういうことだろうか。

黒色無双を塗ったフィギュア

黒色無双を塗ったフィギュア (商品ページ)

黒色をよく知るためには、私達が色を認識するメカニズムを知る必要がある。

色を認知するメカニズム

私たち人間は、光を感知してその波長の違いによって色を感じている。太陽が見えるのも、パソコンやスマートフォンの画面が見えるのも、それらが発光しているためだ。青色が見えるのは青く感じる波長の光が目に届いているからである。

一方で、それ自身では発光しないもの、たとえば「りんご」が私達に見えるのは、りんごが太陽や部屋の明かりを反射して光っているからである。そのため、まったく光のない暗闇では、もちろん「りんご」を見ることはできない。

なぜりんごは赤色なのか?

ではなぜ、りんごは赤色なのか。それは、りんごが赤色の光の波長を反射し、それ以外の光の波長を吸収するからである。結果として私達の目には赤色の波長の光が届き、りんごが赤く見えるのだ。

黒色と漆黒

さて、本題に戻る。定義上、純粋な黒色とはすべての光を吸収する物体の色を指す。

前述の通り、りんごは赤色の光を多く反射するため、赤色に見える。逆にすべての可視光を反射しなければ、その物体は目に捉えることができない。すなわち黒いのである。

そのため、可視光をどれだけ反射しないか(どれだけ吸収するか)が黒さの強度であり、漆黒性と呼ばれたりもする。

身の回りの黒色と黒色無双

しかし、実際に身の回りにある黒色のものは少なからず光を反射している。

私達が多く目にする黒色(一般的なアクリル塗料など)は、2%から6%ほどの光を反射している。そのため、光を当てればその部分が明るく見えるし、凹凸があれば陰影が発生する。

黒色無双が黒色より黒色たる所以は、この光の反射率が 0.8% という、一般的な塗料に比べ非常に低い点にある。光を当てたとしても反射光が少なく、色が変化しないため、まるで凹凸のないベタ塗りのように見える。まさに、黒色よりも黒いのだ。

カラー

漆黒 (#000000)